二〇二一年三月
春の訪れを告げる弥生三月は、その名の通り「弥生(いやよい)」が変化したものとされています。「弥(いや)」は、ますます、いよいよ、と言った意味、「生(おい)」は草木が生い茂ることを示し草木が芽吹く季節であることを示しています。
格花
春風の柳
体は吹き上げる風により立ち上がり、用は吹き下ろしの風により留に向かってなびき、留はその風を受けて流されていく。春先の強い風に舞う柳の姿を挿けたものです。今回は少し風が緩やかになってしまいました。
![](https://misho-ryu.com/sys/wp-content/uploads/2021/03/c163b57825be3a524b9ed377fa8e84bb.jpg)
格花
登猿
登猿の器は「寸渡」の変化で、上口が旅枕のため狭くあまり本数を遣えません。今回は連翹を挿れ、あまり重たくならないよう心掛けました。下口の啓翁桜も上口とのバランスを気にしながら挿れ、花器が引き立つように努めました。
![](https://misho-ryu.com/sys/wp-content/uploads/2021/03/2af43b237d681d905cd7ee0d3ffddabb.jpg)
新花
桃・珊瑚水木
冬のイメージの強い赤いサンゴミズキ、黄色なら春にも合いそうなので桃と合わせました。線と点を合わせて造形的にまとめました。
![](https://misho-ryu.com/sys/wp-content/uploads/2021/03/448bc2ff691052249bd74e27d4858296.jpg)
![](https://misho-ryu.com/sys/wp-content/uploads/2021/03/fb8e29c0d6a4dd841be2fa5598e74b5f.jpg)
新花
侘助椿
群れて咲く侘助を中心部にはそのまま集合させ、枝先は軽く省いて動きを見せました。花が上向いたり下向いたり不規則なところが複雑な表情となり、おもしろく感じられました。