二〇二五年十一月
霜が降り出す月とする霜月十一月は、秋の収穫を神様に感謝する祭が執り行われたことより、「食物月(おしものづき)」と呼ばれていたものが訛ったものとも伝えられています。
格花
鎌柄
今回の鎌柄は苔付きで枝の締まりも良いものでしたが、葉の付き方がまばらで今にも枯れ落ちそうな雰囲気でした。紅葉の葉も綺麗ですが、晩秋の枯れゆく姿を表現するのも風情があり、いけばなの醍醐味の一つのように思います。

格花
秋桜
コスモスは華やかさだけでなく、どことなく風情を感じさせるので洋花の格花には適した花材です。色の順位通り体に白、用に薄赤、留に濃い赤にしました。添えの花は多少花の色をまばらに挿れて華やかにしてみました。

新花
ミューレンベルギア シンフォリカルポス 秋桜
ミューレンベルギアは初夏に葉が伸び秋に穂が出る洋種のススキの様な花材ですが、穂が非常に細かくかなり本数を束ねてようやく色が出ます。先の方はほぼ見えないので、カットしてコスモスとシンフォリカルポスと合わせました。


新花
令法 紫陽花 ネリネ
庭にあった紅葉したリョウブの枝と、秋色になったアジサイの花を採取して挿れました。白のネリネは上品で他を引き立ててくれました。偶(たま)には自採りの花材を使うのも良いものです。
