未生流

の花

二〇二五年六月

水無月は、旧暦の6月に当たります。田に水を引く月ということから水無月となったと言われています。「無」の文字は無いという意味で用いられているのではなく、助詞である「の」を表しています。そのため水無月は「水の月」という意味なのです。

格花
瓜膚楓

名前の由来は、樹皮の模様がマクワウリの果皮に似ていることからと言われています。枝ぶりは単調なものが多く風情に欠けるので、今回のように花木を添わせて華やかさを求めたくなります。この季節は水揚げも良く揉(た)めも効くので挿けやすい花材と言えます。

格花
五月梅

バイカウツギとも呼ばれ梅の花に似ているのが由来です。比較的しなやかな枝が多く横姿によく挿れますが、体に使う小さく立ち上がる枝が少なく苦労します。今回は二巻筒にして下口には枝垂れ楓を半縦姿に挿れています。

新花
板屋楓 カナメモチ 金征木

新緑の季節は緑だけでなく華やかな色の新芽が目立ちます。カナメモチは庭の垣根にもよく使われ新芽は赤く美しく、段々茶色く目立たなくなります。今回は木の葉三種で色彩盛花にしています。

新花
枝垂れ楓 ライラック スノーボール

枝垂れの楓は繊細で水揚げも弱いですが、涼し気で絵になる花材です。それに垂れる枝は花器に覆う様に挿れるとうまく馴染んでくれます。マッス状の花材二種類を平坦にならないよう加えて完成させました。

ページの上部へ