二〇二四年二月
二月如月の謂われには、寒さがぶり返し着物を重ねて着ることから「着更着(きさらぎ)」とする説が多いです。他には、気候が陽気になる季節で「気更来(きさらぎ」、草木が生え始める月で「生更木(きらさぎ)」とする説があります。
格花
白梅
梅は春一番に花をつけるところから「花の兄」とも呼ばれるこの季節を代表する花木です。未生流では梅の景色挿けが多数伝えられていますが、今回はシンプルに寸渡挿けにして円相体にしました。
格花
長閑の柳
風の吹かない春の日に静かに垂れ下がる柳の長閑な雰囲気を写し挿けます。糸柳の三景の中では一番春の陽気を感じさせるもので、留や控に椿を挿れるのが一般的です。竹二重切に挿れるなど器に合わせて様々なバリエーションがあります。
新花
木瓜 雪柳 カラー
柔らかな曲線を描く白い雪柳と直接的な赤い木瓜を対比させるように、左右に分けて挿れました。交ぜて挿れるより、特徴がよく分かる気がします。間のカラーもそれらを中和させる良い役目を果たしました。
新花
スイートピー スモークグラス
いつも使うスモークグラスは穂先が短く物足りない印象ですが、今回のは量も長さも充分でした。スイートピーは色彩でも造形でも上手く収まる便利な花材です。今回も良い感じで収まりました。