二〇二三年七月
文月という呼び名は、短冊に歌や文字を書いて書道の上達を願った七夕の行事に因んだものという説があります。また、稲穂が膨らむ「穂含月(ほふみづき)」「含月(ふくみつき)」に字を当てて「文月」としたともいわれます。
格花
紫陽花
伝書「体用相応之巻」にあるように、紫陽花は牡丹と同じで格先に大輪を使わず枯木のような花のない幹で格をとります。今回は用と留はあまり大きくない花がありましたので、体のみ枯木を使いました。籠花器も普通は草花を挿れますが、牡丹や紫陽花とはよく合います。
格花
マルバノキ
その名の通り丸い葉が特徴で、新花の方によく使われます。葉が大きく枝が細いので格花には不向きではありますが、今回の材料は小葉も多く比較的挿けやすかったです。紅葉の頃のイメージがありますが初夏の緑も良いものです。
新花
スモークツリー、令法、京鹿の子
スモークツリーは好きな花材で毎年のように使いますが、動きがないのでリョウブの垂れる動きと合わせました。つなぎに京鹿の子の赤が程よく効果的でした。
新花
飛龍羊歯、茴香
ヒリュウシダは存在感があり立てても反らせても特徴を表してくれます。今回はシンプルに数枚寝させて積み上げました。花を取ったウイキョウと合わせて造形的にまとめました。