未生流

の花

二〇二〇年十月

神無月は、神々が出雲の国に集まられるため「神無月」となったという説、神を祀る月から「神の月」として「の」を表す助詞「無」を充てた「神無月」の説があります。八百万の神々がおわす日本らしい月名です。

格花
蔓梅擬

鮟鱇を横掛けにして、蔓梅擬を横姿にしています。蔓性の植物を挿けるいつもの課題は、立ち上がりの枝を見つけられるかどうかです。体に良い立ち上がりがあれば成功しますが、なければ苦労します。まず最初にそれを探します。

格花
枇杷

この時期の枇杷は花も無く挿けるに少し早すぎた感じがしますが、新芽の葉のおかげで格先がわかりやすく見えます。枇杷の出生である、車輪状に付いた葉の状態を崩し過ぎず葉を省略しています。虚実の一葉として横一文字の葉を体の後添えに挿れて単調な葉に変化を加えます。

新花
ホワイトポプラ・シンフォリカルポス・秋海棠

このホワイトポプラはギンドロという種類で、葉の表と裏の色が緑と白にはっきり違いがあり、質感もおもしろいです。白い実と花を合わせて爽やかに仕上げました。

新花
唐胡麻・栗・槍鶏頭

唐胡麻は赤い茎が美しく、数本立てるとより赤が引き立ちます。栗の緑や鶏頭の赤を足元に挿れると、茎がより長くしなやかに感じます。実や葉も程良く残して全体のバランスを取りました。

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