二〇一七年三月
春の訪れを告げる弥生三月は、その名の通り「弥生(いやよい)」が変化したものとされています。「弥(いや)」は、ますます、いよいよ、と言った意味、「生(おい)」は草木が生い茂ることを示し草木が芽吹く季節であることを示しています。
格花
雪柳
連翹
尺八
「尺八は、何レ根竹ヲ用ル故 節数多ハ不苦 尤半員ヨシ」とあり、切り方は中口は丸に、下口洞に切ります。この器は三重として三つの口に挿けますが、ときには中の口を休めて二つの口に挿けることもあります。
格花
鶯宿梅
鶯宿梅は、梅十五景として伝えられる景色挿けの一つで、紅梅で挿けるのが一般的です。鶯が苔の下の虫を食べることから苔付きの古木を使い、鶯が止まりやすいように内用前留で挿けるか、留流しで挿けることが多いです。
新花
麦
ぜんまい
ストロベリーキャンドル
麦は葉を剥いていくと節のある細い茎が見えてきて、矢羽のように見えます。節で折れたり曲がったりしたものを挿れ、他の二種の草花と合わせて線で構成しました。
新花
ヤツデの実
アンスリュームのつぼみ
ヤツデの実はみずみずしい緑色で、ガラスの器とよく合います。器の中と外に程よく挿れ、アンスリュームのつぼみの2本でまとめました。あまり量を挿れすぎず、ガラスの涼感を出すように心がけました。